Ballad
Ba604H-II
2007「ハイエンドショウ東京」に行ってきました。有楽町東京交通会館での開催でした。
この2007年10月には、東京国際フォーラムでの「東京インターナショナルオーディオショウ」や、秋葉原損保会館での「第13回真空管オーディオフェア」と、春もそうなのですがオーディオ関連のイベントが目白押しでした。
さすがに東京にいて便利だなと思ってしまいます。
真空管オーディオフェアでは山本音響工芸さんのYS-604がとても渋い音を放っていました。
仕上がりのよさそうなエンクロージャーはもちろん山本音響工芸製でユニットはALTEC 604-8Kが搭載され独自のネットワークで構成されています。
パンフレットもありましたのでまだ販売もしているようです。
また、サウンド・マイスターさんではかなり大きめな箱にALTEC 515系、288系にマンタレーホーン、フォステクスのツイーターの3ウエイ構成でデモしていました。
ピアノの低弦のガツンとくる迫力は中低域がしっかりしている証拠で、やはり大型システムは凄い!といった感じでした。
そしてハイエンドショウでのお目当ては「バラッド」さんです。
GPA(グレートプレーンズオーディオ)の604-8H-IIを搭載したバラッドオリジナル「Ba604H-II」は、トールボーイタイプでの登場でした。
1944年に初代ALTEC 604が発表され、様々な改良を受けて時代を生きてきた604は私が愛用している604-8Hが最後のアルニコマグネット仕様で、且つ最初のマンタレーホーン搭載機でした。
その後、マグネットがフェライトに変更され604-8Kとなり、ホーンの長さがかなり短くなりましたのでこの時点では相当設計の変更があったと思われます。
さらにその後あまりその変更点が明らかにされていませんが604-8LとなりALTECブランドとしてはそれが最後の604となりました。
ここからはバラッドのFさんから聞いた話なのですが、ALTECの天才エンジニア ビル・ハニャック氏は604-8K及び8Lには満足していなく、史上最高の604を作りだそうとALTECの他のエンジニアも引き連れてGPAを興したそうです。
彼らのなかではやはり、8Hで完成されたという意識と、それが過去最高の音だという認識で、フェライトでもここまで出来るというエンジニア魂をその型番「8H-II」で表現したかったそうです。
造りは昔ながらの手間とコストのかかる高域部が独立、貫通した同軸型で、ALTECではこの方式をデュプレックスと呼んでいました。
>> ALTEC 604シリーズヒストリー&歴代モデル仕様はこちらでご覧下さい
製造器具関連を引き継ぎするも、Newタンジェリンフェイズプラグを使用し、Newマンタレーホーンを採用、またダンパー部やボイスコイルに熱放熱性の良い素材を使用、コイル自体にも独自の工夫を施し相当な改良をインプットされたようです。
さて、その音です。
かなり洗練されたと言いますか、言い方を変えれば今風といいますか、わりとフラット感のある音でした。
そしておそらくまとめるのに一番苦労されたという中低域がしっかり量感を伴って出ていたのが印象的でした。
箱は相当試行錯誤されたのでしょう、前面は38mmの厚さでかなりがっしりしていましたし、独特の両サイドのスリットもこの低域の厚みに貢献しているような気がします。
しかし、他社の方が聴きにこられて、あまり変わってないアルテックのままだねと言って行かれたそうです。
Fさんはそれには「解ってないな」という笑みで答えたと思います。
是非、頑張って頂きたいと思っております。
■Ba604H-II仕様
・周波数特性:30Hz〜20KHz
・感度:99dB(1W/1m 500Hz〜3KHz)
・クロスオーバー周波数:1.6KHz
・ユニット:38cm同軸(604-8H-II)グレートプレーンズオーディオPGA社製
・インピーダンス:8Ω
・重量:58Kg(1本)
・寸法:465(W)x1250(H)x505(D)mm
・エンクロージャー:北欧産バーチ材 バッフル面38mm/バッフル面以外19mm
・外装:特殊ウレタン塗装 オーク色仕上げ
・内容積:230リットル
2007 / 12 / 3 今年の冬は寒そうですね、ガスストーブでも奮発しておかないと・・・
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