【フライト】

《操縦トレーニングと実際》

 人力飛行機の操縦トレーニングは、製作中の機体の性能把握に始まります。狙いの性能に応じた適切なトレーニングメニューとスケジュールを検討しなければなりません。かつての記録機 HYPER-CHicK“KoToNo Limited” の時とは飛行速度も機体の剛性も全く違います。 高速飛行で高剛性の機体のレスポンスは、かつてのそれとは全く異なります。
CHicK-2000 は、機体の剛性向上に伴いソアラーを凌ぐクイックレスポンスを追求しましたので、 操縦トレーニング もソアラーによりました。



グライダートレーニングの様子

剛性向上の例として主翼は、リフトワイヤーから外側の 片持ち部分はスパンが6.65m有りますが、飛行中の撓みをワイヤーの延びによる変形も含めて23cmに押さえています。
テールブームは、私が機体に搭乗した状態でメインギアが浮き上がるまでその先端を持ち上げても僅か1.5cmしか撓みません。これは、飛行中エレベーターをフルアップ操舵した時、エレベーター取り付け部で3mmしか撓まない
ことを示唆します。

約半年の訓練でソロフライト可能な操縦技術を習得しましたが、私達にとってテストフライトは貴重なチャンスで、その前に実フライトとのギャップを埋める方策が課題になりました。
ソアラーと人力飛行機の大きな違いは、ペダリングの有無と言う根本的な違いを除きますと、飛行速度の差 に有ります。(ペダリングしながらの操縦の困難さは、言葉では言い尽くせないものが有りますが…) 速度差から生じるレスポンスの違いは、イメージトレーニングのみでは埋めきれず、ランニングテストを繰り返す実践トレーニングによりました。

《ランニングテスト》

完成したばかりの機体で、おおよその性能や癖を掴まないままでのフライトは危険を伴います。 一旦離陸した機体とパイロットの安全回収 には、機体の特性や操縦感覚の把握、ウイングランナーやテールランナーの熟練も大切です。専用の滑走路を持たない私達にとって、本格的なフライトは数少ないチャンスで、適当な場所が無いことや、フライト・クルーの集合状況から、年に2〜3回の確保すら難しいのが実情です。

私達は、上述のリスクの回避 に、フライト前に 徹底したランニングテスト を行うことにしています。 20〜30mの走行練習から、軽いジャンプの繰り返し、高度数10cmの低空飛行テストまでを ランニングテスト と称しています。
今回は幅僅か30mのグランドで実施しました。
CHicK-2000 は、離陸速度が8m/s と非常に速く、無風時には人並みのランナーではとてもサポートできません。
向かい風2〜3m/sの気象条件を選び、高度20〜30cmの低空飛行なら安全にトレーニングできます。
これで機体各部の強度確認、重心位置 プロペラピッチの調整、離着陸時の速度感覚の把握操縦練習、ランナーの走行サポートのタイミング 等、フライトで要求される殆どの調整とタイミングが習得できます。


ランニングテスト

ランニングテスト

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 今回フライトデーター収集システム(要素技術−6) を開発、搭載しました。
必要パワーや飛行速度、プロペラの回転数から各舵の操舵状況まで手に取るように把握できました。まだまだ試作段階ですが、各部の定量的な状況把握は、
合理的な調整や改善、今後の設計に反映できます。

我々は、フライトの成功までに何と 3回も大破しました。
1回目 は、一昨年4月のランニングテストに着手したばかりの時で、上昇後の僅かなピッチングが原因で 失速墜落しました。
2回目 は、1回目同様、上昇〜失速後の墜落回避に急激な上げ舵を操舵した瞬間、強靱なテールブームが私の操舵を瞬間的・確実に水平尾翼に伝え、 テールがクイックレスポンスし、強烈な機首上げモーメントが主翼付け根を 捻じ切った事による 空中分解です。
3回目 は、昨年8月のPIO(Pilot Induced Oscillation)の誘発による制御不能による 墜落です。

新しいコンセプトに基づく機体開発の難しさを思い知らされるとともに様々な難問に直面しました。
完成した機体の安全荷重倍数の確認、体力トレーニングや実機ソアラーによる操縦訓練は順調に消化していたのですが、自らが計画した高速飛行と運動性に対応可能なフライトプランや操縦方法の検討に甘さが有りました。
2回目の空中分解後は、原因が材料、工作、設計、或いは操縦に有るのかを徹底調査しました。
ビデオ分析、スパー破断面の拡大写真調査、材料試験や載荷試験は、再試験を行い安全を確認しました。
結果的に、3回の墜落は共に、速度不足と PIOの誘発が関連していたと考えています。



空中分解

《PIO》
 テスト着手以来1年半、原因不明の
制御不能な離陸後の不安定な頭上げモーメントに悩まされていました。調整は原因を掴めないままの的はずれなバランス調整に偏っていました。考え得る範囲の調整は行ったものの、決定的な原因と制御方法を掴めないまま実施したランニングテストの結果が、3回目のクラッシュです。この時初めてPIOを確認し、問題解決の糸口を掴む事が出来ました。まさか私達の設計・製作した機体がPIOで墜落するなど、万一にも考えていなかったことです。ランニングテストで離陸後高度数10cmに達し、私は機体の縦の振動を安定させようとしましたが、思うように機首を押さえきれず、ほんの数秒間の3〜4回のピッチングで振幅が20倍に拡大し、私の悲鳴と共に目の前が真っ暗になり、鈍い衝撃音が響くと同時に、強烈な衝撃が全身に伝わりました。修正舵と逆にピッチング運動が増幅し墜落に至ったのです。修正されるべき運動と操舵との位相遅れに起因する典型的なPIOで、系が不安定になり、位相が180°ずれて発散状態に陥った事によります。あの時の制御不能の恐怖感は忘れられません。衝突姿勢の確保の練習の大切さも身に浸みて感じました。この強烈な現象を経験し、鳥人間コンテストの滑空機用シミュレーター[bird]で定評の有る“練土研チャレンジチーム”に救済を求め“CHicK-2000”専用シミュレーターの開発を依頼しました。

  
PIOでクラッシュ

人力飛行機は低速飛行の為、周期が短い。短周期モードにおいては、エレベーターを固定した場合に対して、エレベーターをフリーまたはピッチングが発散(増幅)するタイミングで操舵した場合に、周期が長くなる。離陸直後の細かいピッチングは、主として短周期モードにエレベーター操舵のタイミングが組み合わさった事によるPIO、2〜3秒後の大きなピッチングは、短周期モード+長周期モードに操舵のタイミングが組合わさったPIOと考えられる。CHicK-2000の縦の長周期モードと短周期モードの周期を示します。
   長周期モードの周期:ωnlp≒1.85 (1/s)  Tnlp=2π/ωnlp=3.4 (s)
    短周期モードの周期:ωnsp≒32.99 (1/s) Tnsp=2π/ωnsp=0.19 (s)
 安定と制御に関して全面的に見直しました。調整と改修は、エレベーターは両端2スパンずつ、ラダーは下部1スパンを切り詰めて面積を縮小し、操縦桿や操縦系統の再調整から、主翼の固有振動数の変更にまで及びました。


機体組み立て中

 

《PIO発生時のフライトビデオ》

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《当日のフライト》


機体は分解して、コンパクトなホルダーに乗せて運搬する。

 フライトは、23年前に偉大な“ストークB”号が直線距離の世界記録を樹立した滑走路で行いました。当日の天候は、北北西の風2〜3 m/s、気温約10°C、濃霧で、日の出時の視界はわずか50mしかありませんでした。機体組立中の午前4時頃から全体が結露し、新聞紙で全体を被って霧が晴れるのを待っていました。霧は7時に晴れましたが結露は納まらず、滑走路の使用時間の制限から水滴が付着したままのフライトになりました。熱容量の大きなスチレンペーパーや発泡スチロールが主要材料のCHicK-2000にとっては、拭き取っても拭き取っても結露が納まらない致命傷になりました。水滴は重量を約3kg増加させただけでなく、主翼の空力性能を極端に低下させます(解説−2)HYPER-CHicK“KoToNo Limited”のテストフライトの経験からでは、当日の状況は抗力を約30%増大させると判断しました。当初1000mのフライトを予定していていましたが、急遽計画を変更し、アネロビクスパワーフライトとしました。180watt(横風2〜3m、速度8m/s)の計画に対して、私の飛行限界出力230〜50wattの投入が必要です。CHicK-2000の定常飛行の必要パワー(無風、高度1m)は160〜70wattですが、この状況では極力抵抗の少ない迎角でのフライトが望ましく、対気速度10 m/sの超高速で約40秒(アネロビクスパワーの持続限界時間)飛行しまいた。この時の必要パワーは予想通り230〜40wattでした。これは、離陸に約90mを費やした事(要素技術−7)や、高度2mに上昇した時点で連続投入したパワーと獲得高度が釣り合い、それ以上上昇出来なくなってしまった事から確認出来ました。


機体の組み立て

 

《パイロットの心理》


CHicK-2000 パイロット ; KoToNo HoRi

 今回のフライトには私自身が乗り越えなければならない幾つかの難問が有りました。最大の壁は、当日が初めての実質的なフライトになる事でした。8月24日にPIOが原因で墜落大破したことから、安定性と制御性に関して全面的な見直しを行い、調整を根本からやり直しました。エレベーターは両端2スパンづつ、ラダーは下部1スパンを切り詰めて面積を縮小、操縦系統と操縦桿の動作、舵角の調整に始まり、主翼の固有振動数の変更にまで及びました。これでCHicK-2000は生まれ変わったはず(!?)です。修理と改修・調整を終え、漸くテスト再開に漕ぎ着けたのは9月末でした。天候不良とスタッフの集合状況から11月4日までに、僅か2回のランニングテストしか消化できませんでした。フライトらしいフライト無しに当日を迎えることになりました。


機体の組み立て

 追い詰められた状況の中で唯一の支えは、“練土研チャレンジチーム”鳥人間コンテスト専用のフライトシミュレーター[bird] をバージョンアップし、“Bird for CHicK-2000” (要素技術−8.1)(要素技術−8.2)(解説−3)を完成、提供して頂いたことです。開発者自ら、最終のランニングテスト前日に完成したばかりのソフトを持って遙々東京から大阪まで駆けつけ、指導して頂きました。その再現性は非の打ち所がなく、正に完璧、操舵レスポンスはもとより失速特性まで見事に再現されていました。 数回のシミュレーションで、離陸から安定した水平飛行に移行するまでの操縦技術の大凡を習得できました。


待機  朝露のふき取り

 重くのし掛かったプレッシャーは、フライト当日、集まって頂いた皆様の応援が跳ね除けてくれました。安定した精神状態で自信を持ってチャレンジできた陰に、“練土研チャレンジチーム”の皆さんが駆けつけ、詳細な気象データーの提供をはじめ、当日のコンディションに最適なフライトプランの助言をして頂いたことがあります。実フライト『0』のチャレンジに対して、ソアラーを使った操縦トレーニング、ランニングテストに加え、技術の粋を駆使したシミュレーターによるトレーニング手法の採用が見事成功に結びつきました。

《フライトビデオ》

 当日のフライトの様子をご覧いただけます。回線速度・システムに応じて選択してください。

 

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《フライトレポート》               

トリッパ 西畑浩憲・矢埼茂明


2mバー直前

 “アクティブギャルズ”は女性による人力飛行機の記録更新を狙い、2000年11月4日、5日に記録飛行に挑戦した。実施したフライトは2回。筆者は記録写真撮影の目的で本チャレンジに参加した。ここでは、CHicK-2000の飛行を報告する。


夜明け

■11月4日 フライト1日目、風は向かい風2.5〜3m。やや西からの偏流。普通の飛行機にとっては微風のコンディションと言えるが、人力飛行機にとってはやや風が強い。離陸に限れば向かい風は悪くない。機体の状況は悪かった。全面が結露し、数十万オーダーの低レイノルズ数で飛ぶ人力飛行機では抗力が数割増加してしまう。この傾向は、主翼の迎え角が増すほど悪化してしまう。このため記録更新をあきらめ、巡航中も機首を3度突っ込ませた姿勢でフルパワーを連続投入し、1分弱飛行するプランとした。少ないチャンスではやむを得ない。


出発位置へ移動

 「3、2、1、ゴー」機体がゆっくり滑走路を走り出す。速度が上がり、風をつかんだ主翼がゆっくり持ち上がる。その変形は一般の人力飛行機に比べてかなり小さい。むしろグライダーや旅客機のそれを思い起こさせる。伴走車から「フルパワー」の声がかかる。パイロットは自らの足が生み出す1/4馬力にも満たない僅かな出力を駆動輪とプロペラに投入する。ピンクのプロペラの回転ピッチがグッと上がり機体は加速。数秒後、離陸速度に達したCHicK-2000は、まるでワイヤーで曳航されるグライダーのようにスッと地面を離れた。


出発位置 離陸準備

 機体は機首を僅かに左に向けて偏流を取りながら、高度をスルスルと上げていく。安定は十分。高度が2mほどに上がり、何度か左からブロー気味の風に流される。流される機体に応じるパイロットは、まだ機体の反応を正確につかみ切れていない様子。少々ノーズをフラフラさせつつも、小舵を切って的確に対応、滑走路の中心に機体を戻していく。
 
FAIによる人力飛行のルールでは、離陸してから少なくとも1回、高度2mの高さを超えなければならない。この確認に2mの長さのポールを2本立て、その頂点をロープで結んだ『2mバー』と呼ぶ道具を利用する。出発地点から300mの距離にセットした2mバーが近づいてくる。丁度そのころプロペラの回転ピッチが下がり始めた。パワーを失った機体は徐々に沈み始める。バーの保持者は機体がバーを超えられないと判断、バーを倒す。
 飛行の継続をあきらめ、着陸する。
着陸ではエレベータの応答が鋭すぎるのか、かなりのオーバー・コントロールがあり、ヒヤっとさせられた。


フライト準備 ロープドライブセット

■11月5日 フライト2日目、風の条件は向かい風2m/s弱で、良いコンディションと言える。ただし機体の朝露は防ぎきれなかった。前日同様この日も記録更新をあきらめ、2m越えの達成を狙う。2mバーは前日の反省を踏まえ、出発地点から220mにセットした。


出発直前

 前回と同様のスタート。加速する機体が両翼のサポーターを振り切ると同時にスッと地面を離れる。わずかに偏流をとりながら左に機首を向けつつ上昇していく。パイロットは僅か1回のフライトでだいぶ機体に慣れたようで、操縦は1日目よりはるかに落ち着いている。安心して見ていられる。2mバーが近づいてきたころ、やはりパワーの限界かプロペラの回転ピッチが下がり始める。バーは目の前、パイロットはノーズを持ち上げながらバー越えを狙うが、一瞬ノーズを上げすぎ、失速スレスレまで速度が落ちる。わずかにエレベータを戻した直後、沈下しながらちょうどバーと同じ高度でバーを超えようとする。 メインギヤ下端がバーに僅かに触れた。伴走車から「フルパワー、頑張れ」の声がかかるが、機体はもう速度と高度を取り戻すだけの推力を発しない。主翼に水滴がついて抗力が増している状態とはいえ、パイロットの体力の限界を感じる。伴走車のナビゲータも飛行の継続を無理と判断、冷静に着陸した。

《フライトレポート》                    

下総OSC 諏訪吉昭

CHicK-2000 プロジェクトチーム“アクティブギャルズ”FAII-Cクラス 人力飛行機女性記録飛行(直線距離および滞空時間)に公式立会人として立ち会った。規定の2mの高度証明が得られなかったため、公式記録とはならないが、結果は以下のとおりである。
  飛行実施日 2000年11月4日(土)    2000年11月5日(日)
  パイロット 堀 琴乃             堀 琴乃
  天 気   晴れ               晴れ
  風向風速  北北西 2.5m/sec         北北西 1.2m/sec
  飛行距離  331.238m         269.815m
  飛行時間  46秒45            37秒66
  最高高度  計測できず(推定:2.4m)   計測できず(推定:2.2m)


上昇

 機体は出発後数秒(初日)、及び10数秒(2日目)で離陸し短時間で2m以上の高度を得た。惜しくも両日ともに、高度計測用ポールのクリアはならなかった。安定した飛行ぶりから、機体の空力特性、剛性、安定性、操縦性、パイロットの操縦技量が充分なことが見てとれた。抗力が極めてが低そうなスムースな機体表面と飛行中全く撓まない翼と胴体が印象的である。この剛性の高さは、別稿にあるPIOの原因の一つと思われるが、その問題も解決されて、舵の効きの良さという利点が生かされているようであった。
 
今まで女性パイロットの人力飛行を見てきて思うのは、バックサイド領域に入り易いいうことである。速度が低下すると、高度を維持するために上げ舵を取る。すると誘導抵抗を一番として主翼の抗力が増加し、プロペラ効率の低下とあいまって必要パワーが増加し速度と高度が減少し、またそれを補うために上げ舵を取るという悪循環に入り込んでいく。高度に余裕がないために一度降下して速度をつけてこの状態から脱出する、ということができない。バックサイド領域に入らないような飛行法をとることが大事だと思う。

}
記録飛行 2m越え直前

 今回の飛行には、翼に霧による露の付着という不利な状況があり、その点を考慮して評価する必要を感じる。露の翼面への付着は、翼の境界層を乱流となし、抗力の増大をもたらす。殊に主翼に DAEシリーズのような層流翼型を用いた機体の場合には、その影響が甚大で、揚抗比の低下が著しい。露が付着しない条件で飛行し、離陸滑走・上昇・巡航に対するパイロットのパワーの配分を適正にすれば、記録更新の可能性は高いと思われる。