■クラプトンの愛器「ブラッキー」のレプリカ製作に執念を燃やす男。
2004年春、Blackie IGAは楽器店の書籍コーナーに置かれていたクリスティーズ・オークション・カタログを手に取った。その中に掲載されていた「ブラッキー」の詳細な写真の数々と1億円を越す価格で「ブラッキー」が落札されたというニュースが彼の創作意欲に火をつけた。以来、「ブラッキー」の完全レプリカ製へのあくなき挑戦が始まった。
ほどなくしてBlackie IGAは「ブラッキー」レプリカ製作のためにヴィンテージ・ストラトキャスターの研究を始める。そのための資料収集とパーツ収集に明け暮れた毎日だった。そして実際の製作の第一歩はネック・ジョイント・プレートの復刻からだった。「ブラッキー」のネック・ジョイント・プレートにはシリアル・ナンバー「-20036」の刻印がある。これは、57年製Fenderのみに使用されていた特徴で、先頭に「−」(ダッシュ、マイナスとも呼ばれている記号)と5桁の数字によって刻印が打たれてある。「この刻印を施したネック・ジョイント・プレートの製作が可能な工場を探すことが最初の難関だった。」とBlackie IGAは当時を語る。
2004年の11月13日、フェルナンデス・リヴァイバル・シリーズをベースに1号器Blackie
Replica #001が完成。それ以降、一本作る毎に得てきたノウハウを活かしながら3本を製作。本家Fender
USAのアルダー・ボディを惜しげもなく投入したBlackie Replica #002は、ヤフオクにお披露目の意味を込め参考出品され、僅か2週間で13000件を越すアクセスを受けた。
■新たなる挑戦、究極の「ブラッキー」レプリカ計画。
初期に製作された3本のレプリカは、いずれも既製品のストラトをリフィニッシュしたものだった。しかし、よりリアルな仕上がりを追及した結果、「ブラッキー」最大の特徴であるVシェイプのネックとアルダー3ピースのボディという基本的な構造は厳守するべきという結論に達した。
2006年春、Blackie IGAは、「ブラッキー」と同じ寸法で貼り合わされた3ピース・アルダーから忠実に50年代のストラト・シェイプが削り出されているボディ材を入手する。そして、ストックしてあったJVシリアル期のFender
JAPAN製54ストラトVネックをリシェイプして、今回紹介するBlackie Replica #004の製作にとりかかる。それから半年近い時間をかけて究極の「ブラッキー」レプリカ計画第一弾、Blackie
Replica #004は完成した。
Blackie Replica #004
Special V shape neck (Fender JAPN JV serial)
Alder 3 peace vintage 56 body
Fender USA Custom 54 Strat Pickup
CTS pod with SwichCraft jack