飛行機(ひこうき)の飛(と)ぶしくみ

揚力についての説明(せつめい)

揚力(ようりょく)とは、飛行機を飛ばすための力(ちから)です。

KoToNoお姉さん が、主翼面積(しゅよくめんせき)が大きい方が揚力(ようりょく)が大きいと言っていましたが、実際(じっさい)はもう少(すこ)し複雑(ふくざつ)です。

揚力(ようりょく)の強(つよ)さは、主翼面積(しゅよくめんせき)・空気密度(くうきみつど)・飛行速度(ひこうそくど)・揚力係数(ようりょくけいすう)というものに関係(かんけい)します。

主翼面積(しゅよくめんせき) は、飛行機のはねの大きさです。
空気密度(くうきみつど) は、空気君(くうきくん)の量(りょう)です。 (たくさんいるか、少(すこ)ししかいないか)
飛行速度(ひこうそくど) は、空気君(くうきくん)の走(はし)る速(はや)さです。(飛行機の速さ)
揚力係数(ようりょくけいすう) は、翼(つばさ)の上(うえ)を走(はし)る空気君(くうきくん)と翼(つばさ) の下(した)を走(はし)る空気君の速(はや)さの違(ちが)いの大きさです。

揚力(ようりょく)を強(つよ)くするにはどうすればいいのでしょうか。

主翼面積(しゅよくめんせき) は、大(おお)きければ大(おお)きいほど
空気密度(くうきみつど) は、高(たか)い(空気君(くうきくん)がたくさんいる)ほど
飛行速度(ひこうそくど) は、速(はや)ければ速(はや)いほど
揚力係数(ようりょくけいすう) は、大(おお)きければ大(おお)きいほど

揚力(ようりょく)は強(つよ)くなります。

しかし、それぞれ問題(もんだい)があります。

主翼(しゅよく)は大(おお)きくすればするほど、重(おも)くなります。 重(おも)くなるということは、速(はや)く走(はし)れませんね。 みなさんも、重(おも)い荷物(にもつ)を持(も)って走(はし)ると、 速(はや)く走(はし)れないですものね。
だから、小(ちい)さな飛行機に大(おお)きな翼(つばさ)をつけてもだめなんだよね。

空気密度(くうきみつど)っていうのは、高(たか)さが高(たか)いほど低(ひく)く(空気君が少ない)なっていきます。飛行機って空高(そらたか)く飛(と)びますよね。だったら低(ひく)い所(ところ)を飛べばいいんじゃない?って思(おも)うかもしれませんが、空気君がたくさんいると、飛行機にぶつかる空気君も多(おお)くなるんです。たくさんぶつかると速(はや)く飛べなくなる。風(かぜ)の強(つよ)い日(ひ)に風(かぜ)に向(む)かって歩(ある)くと、風(かぜ)におされてなかなか前(まえ)に進(すす)めないことがあるでしょ?飛行機も一緒(いっしょ)なんだね。

飛行速度(ひこうそくど)は、エンジンの大きさ(つよさ)によってかわります。
いくら速(はや)く走(はし)ろうとおもっても、みなさんが乗(の)っている自転車(じてんしゃ)では、自動車(じどうしゃ)より速(はや)く走(はし)ることはできないよね。自転車(じてんしゃ)が、 KoToNoお姉(ねえ)さん が乗(の)る人力飛行機(じんりきひこうき)、軽自動車(けいじどうしゃ)が、セスナなどの小型(こがた)プロペラ飛行機(ひこうき)、普通自動車(ふつうじどうしゃ)が、ビジネス飛行機、大型(おおがた)のバスやダンプカーがジェット旅客機(りょきゃくき)、F1カーがジェット戦闘機(せんとうき)といったところかな。

揚力係数(ようりょくけいすう)は、ちょっとむずかしい話になるけど、じっくりよんでね。

揚力係数(ようりょくけいすう)は、翼(つばさ)の上(うえ)を走(はし)る空気君(くうきくん)と下(した)を走(はし)る空気君(くうきくん)の速(はや)さが違(ちが)うほど大(おお)きくなります。空気君が走(はし)る上の道(みち)をより遠(とお)く、空気君が走る下の道をより近(ちか)くすれば、走(はし)る速(はや)さがより違(ちが)ってきますよね。では,下の絵(え)のような翼(つばさ)にすればいいとおもうのですが、ちょっとまってください。



こんな翼(つばさ)にしたら,前(まえ)から空気君がたくさんぶつかってスピードが遅(おそ)くなりますよね。また、あまり極端(きょくたん)だと空気君が下(くだ)り坂(さか)を走(はし)らず、どこかへ飛んでいってしまい揚力(ようりょく)が無(な)くなってしまいます。

じっけん:したじきを翼(つばさ)のように少(すこ)しまげて、はしに口をつけ、息(いき)をフーッ!とふいてみてください。反対(はんたい)がわに息(いき)がかかりますね。でも、どんどん大(おお)きくまげていけば息(いき)がかからなくなります。空気がどこかに飛んでいってしまったのです。

では、こんなのはどうですか? 翼(つばさ)をななめにします。このななめの大きさを迎角(げいかく)といいます。
迎角(げいかく)が大きいほど(ななめにするほど)翼(つばさ)の上を走(はし)る空気君は、上(のぼ)り坂(ざか)が少(すく)なく、急(きゅう)な下(くだ)り坂(ざか)になりますので、空気君は速(はや)く走(はし)れます。みなさんも、坂(さか)を、のぼって走(はし)るより、くだって走(はし)るほうが楽(らく)に速(はや)く走(はし)れますよね。 じゃぁ、迎角(げいかく)を、とっても大きくすれば、空気君が速(はや)く走(はし)れるからいいじゃないか、とおもうのだけれど、これがまた、違(ちが)うの。 急(きゅう)な坂道(さかみち)を走(はし)っておりると、足(あし)が追(お)いつかなくなってつまづいて、こけてしまいそうになったこと無(な)いかな? 坂(さか)が急(きゅう)すぎると、空気君も足(あし)が追(お)いつかなくてつまづいてしまい坂道(さかみち)からはがれてしまうのです。
これでは、揚力(ようりょく)はなくなり、飛行機が落(お)ちてしまいます。これを失速(しっそく)といいます。 でも、飛行機の速(はや)さや、翼(つばさ)の大(おお)きさなどによって迎角(げいかく)の大きさをかえれば、揚力(ようりょく)を大(おお)きくすることに有効(ゆうこう)な方法(ほうほう)といえます。

飛行機を飛ばすってけっこうむずかしいでしょ? 飛行機の重(おも)さや、使(つか)い方(かた)によって、翼(つばさ)の形(かたち)や、エンジンの大きさ、最適(さいてき)な飛行高度(ひこうこうど)や、その他(ほか)いろいろな条件(じょうけん)がかわってきます。 みなさんも、これから飛行機を見(み)たときは、翼(つばさ)の形(かたち)なんかをみくらべてみたらおもしろい発見(はっけん)があるかもね!