お座敷列車「なのはな」

「なのはな」(千葉支社幕張電車区所属)は、1986年に国鉄千葉鉄道管理局(現・JR東日本・千葉支社)では初の「ジョイフルトレイン」として、また国鉄初の「お座敷電車」として直流急行型の165系電車を種車として登場しました。

同様に165系を種車にした「パノラマエクスプレス・アルプス」(八王子支社・三鷹電車区所属)等と比べ、内外装ともに種車の面影を色濃く残した仕上がりになっています。

種車の165系は、かつては「犬吠」をはじめとする房総各線の急行電車として活躍しましたが、1982年11月のダイヤ改正で房総急行が全て特急に格上げされて定期運用が消滅した関係で波動用となっていました。


鉄道情報局より入手 98年7月19日 浅草橋 回9329M
http://www.geocities.co.jp/SilkRoad/5801
 165系は一時「東京ディズニーランド」の輸送用に「シャトルマイハマ」と云う名称で使用されましたし、後に新潟電車区に転属して「アルファ」としても活躍した事で知られています。
165系はこの他に「なのはな」と同様に房総急行用に使用されていた車両です。

列車名の「なのはな」は「千葉県の県花」として親しまれている「菜の花」から採用された名称です。
お座敷列車「なのはな」の各車両にも6種類の花の名前がつけられています。

なのはなの編成表
号車   1号車(新宿方)  2号車  3号車  4号車  5号車 6号車(千葉方)
形式車番 クロ165-1 モロ164-801 クモロ165-1 クロ165-2 モロ164-802 モロ165-2
愛称 すみれ あやめ きんせんか すいせん あじさい ゆり
内装 数寄屋風 新型和風   民芸風 数寄屋風 新型和風   民芸風
定員 36 32 32 36 32 32
種車 クハ165-199 モハ164-857 クモハ165-134 クハ165-193 モハ164-851 クモハ165-128


左側に示したのは以前にKATOによって型化され、宮沢模型が限定発売した「なのはな」です。
現在は絶版となっていますから市場では貴重品となっているようです。

実車の「なのはな」も、車体の老朽化(全て1969年度製造)が進んだ事と、使用が直流型の関係で常磐線取手以北や東北本線黒磯以北等の交流区間で使用できません。

このため1998年2月1日より営業運転を開始した「ニューなのはな」(種車は交直流特急型の485系)にバトンタッチし、1998年7月31日(品川発着のビール列車として運転)を限りに引退。
1998年8月29日に最後の営業運転(津田沼発着の房総半島一周記念列車として運転)を行って廃車となってしまいました。

「なのはな」の引退は同時に、千葉支社管内から165系が消滅した事も意味しています。


Nゲージの「なのはな」
チョット背景を工夫すると模型とは思えない感覚になるのが不思議です。
上の写真が”すみれ”
下の写真が”あやめ”
の車両名が入っています。








平成14年4月13日 新掲載