子供の頃の正月は冬休み期間にあったわけだが、春休み、夏休みと違い、冬休みはする頃がなかった。 とにかく寒いので外で遊んだという記憶はあまりない。 (強いてあげれば、凧上げ、コマ回し) じゃあ家の中で何をやっていたのかと問われれば・・・・・ 残念ながら何をやっていたのかその記憶もほとんど無い。 ただあるのはお正月のこと、毎年本家に行って遊んでいた。 一番の楽しみはやはりお年玉、叔父さん、叔母さんが多くいたのでもらえる数も多かった。 一人300円というのが相場、多い人で1000円といったところか。 合計しても凄いと驚くほどの額ではなかった、しかし全て自分の懐にしまえたと記憶している。 叔父さんの中に五郎さんという人がいた、当時35歳くらいだったろうか。 五郎さんはいつも私をひざの上に乗せた、そして頭を「コン、コン、コン」と軽く叩く。 「今度は頑張ったかな〜」と、音の響きに耳を傾けながら必ず言うのである。 私は二学期の成績を思い浮かべながらいつも冷や汗をかいていた。 すると五郎さんは決まったように「頑張ったなあ!」といって私を膝から降ろしお年玉をくれた。 正月といえば御餅も忘れられない。 雑煮にして今でも食べる、しかし当時はその他に焼いて食べた。 しちりんに網を乗せその上であぶる、しょうゆを付けて食べても美味しかった。 そうだ、しゅうゆと砂糖を混ぜて砂糖醤油にしてたんだ。 でも、でも、何といっても最高の御馳走は中にあんこが入っている御餅。 どういうわけか形はいつも餃子のような形をしていたなあ。 餃子のギザギザがないすべすべしたもの、そんな形だった。 人数が多かったので一日ひとつ食べることが出来れば上出来。 でもほんと、あれは美味しかった、ほっぺたが落ちるとはあのことを言うんだろうなあ。 |