我が町は港町である、だから魚とは当然縁が深い。 私も子供の頃から魚を釣っては楽しんでいた。 オモにフナだがハヤ、オイカワ、ウグイ、時にはナマズが釣れることもあった。 そんな私が最初に魚釣りに行った時の事、それはいまでも思い出す事が出来る。 何故なら・・・・・・・・・・あれは小学三年生の時。 まず道具であるが、買ったのは針だけである。 釣り竿は竹を切り、てぐすは糸で間に合わせた。 ウキは木の棒、重りは石である。 それから餌はミミズ、湿ったワラをめくればすぐ採る事が出来た。 場所は歩いて10分ほどの川、友達三人くらいで行ったと思う。 仕度もそこそこに釣り始めるが中々釣れなかった。 それもそのはず、素人、ましてや子供の釣りにひっかかるほど魚も馬鹿ではない。 どのくらい時間がたったのだろう、あまり釣れないので少し移動すると 良い場所がありました。 川に対して垂直に突き出たコンクリートの壁のような物があったのです。 長さ4M、幅は1・5Mくらいだったのかな。 そこの先端で釣り始める事数十分、来た、来た、当たりが。 そして竿を上げると初めての感触「やったー!」 と、ここまでは良かったのですが何せ初めてのこと、魚が自分の所に来るまでが 待ちきれなかったのです。 手を魚のほうに差し出しました。 しかしそれはとても魚にまで届くほど短い距離ではありません。 手がどんどん伸びてく、どんどんどんどん!そしてその手が伸びきった時 足は宙を舞っていました。 あわれそのまま川の中へとダイビングしたのです、あははは!びしょ濡れ。 だけど確かに魚はゲットしました。 あれ以来どれくらい魚釣りをしたか判りませんが、 川へダイビングしたのは後にも先にもそれだけです。 あの時は嬉しかったあ、濡れても嬉しかった! |