GARO

 三叉路/ガロ


SIDE−1

1・夜間飛行機
作詞・作曲・編曲 堀内 護

2・誰もいない朝
作詞・作曲・編曲 大野真澄

3・ペガサス
作詞・作曲・編曲 日高富明

4・最後の手紙
作詞・作曲・編曲 堀内 護/弦編曲 瀬尾一三

5・ヘビーローラー
作詞・作曲・編曲 日高富明



SIDE−2

1・恋のゲーム
作詞 大橋一枝/作曲・編曲 日高富明

2・終りは終り
作詞 横井潤一/作曲・編曲 堀内 護/弦編曲 瀬尾一三

3・仕事のあとは
作詞・作曲・編曲 大野真澄

4・去年の夏
作詞・作曲・編曲 日高富明/弦編曲 高橋信之

5・あいつ
作詞・作曲・編曲 大野真澄

6・冬の花火
作詞・作曲・編曲 堀内 護/弦編曲 瀬尾一三

7・青春の旅路
作詞・作曲・編曲 大野真澄/弦編曲 瀬尾一三





オリジナル・リリース 1975年12月25日





SIDE−1

1・夜間飛行機 村上秀一 ドラムス
武部秀明 エレキ・ギター
深町 純 エレキ・ピアノ
メロトロン
シンセサイザー(ミニムーグ)
シンセサイザー(アープ)
堀内 護 エレキ・ギター
アコースティック・ギター
シンセサイザー(ミニコルグ)
タンバリン

2・誰もいない朝 相良宗雄 ドラムス
秋本良一 エレキ・ベース
遠藤誠一 ストリングマン
日高富明 ボルトネック・ギター
エレキ・ギター
大野真澄 アコースティック・ギター

3・ペガサス 佐野俊之 エレキ・ベース
深町 純 メロトロン
松崎しげる タンバリン
小泉正男 タンバリン
野畑潤子 ハープ
日高富明 エレキ・ギター(グレコツゥインネック)
12弦ギター(マーチン)
アコースティック・ギター(マーチンD-28)

4・最後の手紙 村上秀一 ドラムス
武部秀明 エレキ・ギター
深町 純 エレキ・ピアノ
堀内 護 アコースティック・ギター
スペリオパイプ

5・ヘビーローラー 小泉正男 ドラムス
    佐野俊之 エレキ・ベース
日高富明   エレキ・ギター(フェンダー・ストラトキャスター1957)
エレキ・ギター(フェンダー・ストラトキャスター1955)
エレキ・ギター(ギブソン・レスポールJr.1958)
エレキ・ギター(フェンダー・ストラトキャスター1954)
      エレキ・ギター(ギブソン・レスポール・スタンダード1958)
ハモンドオルガン
カウベル
タンバリン


SIDE−2

1・恋のゲーム 森谷 順 ドラムス
岡沢 彰 エレキ・ベース
日高富明   エレキ・ギター(フェンダー・ストラトキャスター1957)
 エレキ・ギター(フェンダー・ストラトキャスター1954)
 エレキ・ギター(グレコツゥインネック)
アコースティック・ギター(ギブソンJ−50)

2・終りは終り  深町 純  ピアノ
シンセサイザー(オデッセイ)
堀内 護 アコースティック・ギター
タンバリン

3・仕事のあとは 岡沢 彰 エレキ・ベース
谷口邦夫 スチール・ギター
  常富喜雄 ハーモニカ
フラット・マンドリン
バンジョー
松崎まこと マラカス
堀内 護 アコースティック・ギター
大野真澄  アコースティック・ギター
タンバリン
ギロ

4・去年の夏 村上秀一 ドラムス
武部秀明 エレキ・ベース
深町 純 ピアノ
エレキ・ピアノ(フェンダー・ローズ)
 トークボックス・シンセサイザー
ソリーナ
日高富明 アコースティック・ギター(コヤマモデル)
エレキ・ギター(フェンダー・ストラトキャスター1954)
   
5・あいつ 大野真澄 アコースティック・ギター(ギブソン・LTI)

7・青春の旅路 森谷 順 ドラムス
岡沢 彰 エレキ・ベース
羽田健太郎 ピアノ
堀内 護 エレキ・ギター
大野真澄 アコースティック・ギター









GARO 三叉路



通算8枚目となるこのアルバムはガロはラストアルバムです。

当時すでに解散が決まっており、曲自体もお互いに四曲づつを持ち寄っての

構成となりました。

ですからガロというよりもミニソロアルバムというイメージが強いかも

しれません。

作曲はもちろんのこと編曲までもメンバー自身が手掛けている

オリジナル作品です。

マークは以後発表するソロアルバムを暗示するかのように「夜間飛行機」

「終りは終わり」他を発表しシンセと生ギターの融合を見せてくれます。

トミーは何といっても「ヘビーローラー」でしょう。

50年代のフェンダー、ギブソンを駆使し、新しい世界を披露しました。

ボーカルに関してはこのアルバムで初めて自分の世界を築き上げた、

そんな気がします。

「青春の旅路」は人により詞に好き嫌いがありそうですが私自身はガロの中で

一番血の通ったものだと思ってますし

生ギター1本による「あいつ」も良い作品だと思います。

このアルバムタイトル「三叉路」はボーカルアイデアによるもので

CSN&Y「4WAY STREET」をもじって作られました。

最後までCSN&Yを意識してたバンドらしいタイトルです。

このアルバムが発表されたのは1975年12月25日クリスマスの日でした。

そして同じ25日ガロは終止符を打ち三人それぞれの道を歩み始めました。




夜間飛行機

マーク作品

久しぶりに詞もマークが手掛けていますね(この詞、好きなんですよ)

秀作ぞろいのこのアルバムにあってオープニングを飾るにふさわしい

作品だと思います。

当時シンセサイザーという新しいタイプの楽器が姿を現しました。

この作品にはそのシンセがいち早く取り入れられ、いかにもマークらしい曲に

仕上がっています。

いきなり美しいコーラスから始まるこの曲は「暗い部屋」「吟遊詩人」に並ぶ

大作ですがそのイメージはかなり異なりマークらしい甘い声が全体に

響き渡ります。

レコーディングではマークがエレキギター、生ギターはもとより、

シンセサイザー、タンバリンまで演奏しているんです。

こんな感じの作品は「木の舟」(ソロアルバム”六夢”)でも聴くことが

出来ますのでやはり以後の道標となる一曲という事でしょう。

直アルバムジャケットにはこの曲のイメージがかなり入ってます。



誰もいない朝

ボーカル作品

ラストシングルの候補として上がった曲でもあります。

のびのびのした曲になっています、これもソロ効果ではないでしょうか。

演奏にもボーカル自身が生ギターで参加されています。



ペガサス

トミー作品

トミーらしい甘い曲です。

アレンジも私好みで12弦ギターが心地よく響きます。

こんな感じの曲はガロでしか味わえなかった気がします。



さいごの手紙

マーク作品、ガロラストシングル

私自身としても大好きな曲であり大切な曲でもあります。

そしてギターを弾きながら歌うことも多いです

(一人で歌っても感情移入をしやすい曲)

生ギターとスペリオパイプが心に染みますね、また曲としても粘りを感じる

フレーズはメロディーメーカー”マーク”の面目躍如といったところでしょうか。

詞も大好きなんです。

解散をイメージしたものと考えるのは無理なことなんでしょうか。

恋人達の別れをテーマにしてますが、実は私達に宛てたメッセージで

一方的に解散してしまうことを詫びているようにも思えます。

「夜明けが来たら僕は出て行くよ」「幸せに出来なくてごめんなさい」

「今でも君をこんなに愛してるのに身勝手な僕を許して下さい」

やはりマークがガロとして作ったラストメッセージのような気がするのですが。

この曲は解散コンサートでもソロコーナーで”バースディ”として

演奏されました。

ピアノと生ギターによる演奏でパートナーの綺麗な高音が印象的でした。



ヘビーローラー

トミー作品

トミーの今後を連想させるようなエレキギターを駆使した曲です。

いかにもトミーらしい、ギターの響きで生め尽くされた力作ではないでしょうか。

ガロとはかなりイメージが違いますが以前からこのような音楽を

やりたかったのだと思います。

詞にもその意志が表われていますね、旅立ちへの強い決意と方向性を

うかがい知る事が出来ます。

なおこの曲も解散コンサートのソロコーナーで”ファイヤー”として

演奏されました。



恋のゲーム

トミー作品

ポップでご機嫌な曲に仕上がっています。

これも以後トミーのソロナンバーをイメージさせる曲で好きな一曲

でもあります。


間奏のエレキギターフレーズも印象的

こういう感じの曲、好きなんですよね、最初の頃から作ってほしかった。



終りは終わり

マーク作品

マークが丁寧に歌ってますね。

いかにもマークらしいこの曲を聴いてると何となくしみじみとしてきます。

冬に出したアルバムということもあったのでしょう、全体にしんみりとした詞が

多いようです。




仕事のあとは

ボーカル作品

ボーカルらしいカントリー風の賑やかな曲ですね。

こんな感じの曲も以前のアルバムではあまり聴かなかったような気がします。

ボーカルでしか作れない曲ですね。

生ギターはボーカル自身とマークが、マラカスで松崎しげるが参加してます。



去年の夏

トミー作品

ポップスの中でも少し抑えた雰囲気を持つ曲です。

ここでもトミーの繊細なイメージを捕らえることが出来ると思います。

その時々によって色々な面を見せてくれたのがトミーの特長では

なかったでしょうか。


ガロ時代には抑え気味の曲が多かったように思います。



あいつ

ボーカル作品

ボーカル自身が生ギターを演奏しています。

やはり歌よりもギターに特長があります、それもボーカル自身が

弾いているということでさらに値打ちがありますね。


ガロといえば生ギターもトレードマークのひとつです。

でもこれほどギター演奏を全面に押し出した作品はなかったので

はないでしょうか。


それにしては評価が少し低いような気がしますが。

ほとんど言う所は無いんですが最後の部分、余計だったので

はないでしょうか。


あくまでギター1本のほうが私はよかったです。



冬の花火

マーク作品

お気に入りの一曲です。

生ギターのアルペジオが印象的。

初期の幻想的な曲も良かったですがこのような曲も魅力があります。

この曲が好きという人もかなり多いような気もするのですが。

詞的にはかなり悲しいものになってますが何故かそれを感じさせまません。

マークが歌うからなんでしょうか。



青春の旅路

ボーカル曲、「さいごの手紙」のB面にも収録されました。

このアルバム最後の曲です。

ガロをイメージしたこの詞にはいやな顔をした人もいたかと思いますが

ガロの中では一番血の通った詞ではないでしょうか。


曲も詞をストレートに伝える良い曲だと思います。

この曲も解散コンサートでは弾き語りで演奏されました。

最後の最後でボーカルの世界を覗かせてもらった、そんな気がします。