GARO
 サーカス/ガロ


SIDE−1

1・団長のごあいさつ(2:38)
作詞 山上路夫/作曲 堀内 護/編曲 深町 純

2・空中ぶらんこ(2:36)
作詞 山上路夫/作曲 堀内 護/編曲 深町 純

3・オートバイの火くぐり(1:43)
作詞 山上路夫/作曲 日高富明/編曲 深町 純

4・猛獣使い(2:56)
作詞 山上路夫/作曲 日高富明/編曲 深町 純

5・ピエロの恋唄(3:11)
作詞 山上路夫/作曲 堀内 護/編曲 深町 純

6・曲馬団(1:45)
作詞 山上路夫/作曲 堀内 護/編曲 深町 純

7・なぞの女(3:00)
作詞作曲 大野真澄/編曲 深町 純

8・大男の歌(2:33)
作詞 山上路夫/作曲 日高富明/編曲 深町 純

9・綱渡り(2:32)
作曲 日高富明/編曲 深町 純

10・この世はサーカス(2:38)
作詞 山上路夫/作曲 堀内 護/編曲 深町 純



SIDE−2

1・風にのって(2:46)
作詞・作曲 堀内 護/編曲 深町 純

2・演奏旅行(3:00)
作詞 山上路夫/作曲 堀内 護/編曲 深町 純

3・酒びたり人生(2:02)
作詞作曲 大野真澄/編曲 深町 純

4・通りすがり(3:22)
作詞 山上路夫/作曲 堀内 護/編曲 深町 純

5・旅人が眠る丘(3:05)
作詞 山上路夫/作曲 日高富明/編曲 深町 純

6・絵はがき(3:41)
作詞 山上路夫/作曲 堀内 護/編曲 深町 純







 

オリジナル・リリース 1974年5月









サーカス/ガロ

ガロ通算6枚目はまた前回とは違って初のコンセプトアルバムになっています。

A面は”サーカス”をテーマにB面は”旅”を中心に物語が展開していきますが

何といってもA面の”サーカス”にその意欲を見ることが出来ます。

曲にしても一曲ずつ聴くよりも全体をひとつの物語として聴いた方がより一層

その素晴らしさに触れることが出来るのではないでしょうか。

彼ら自身のコンサートでも一曲ずつ演奏されることはなく”サーカス”という

ひとつの世界として私達に届けてくれました。

全体的には小作品集という感じではありますがその演奏は色取りどりで、

華やかな世界が展開されていきます。


B面は”旅”がテーマの中心となっていますが聴きどころは何といっても

「風にのって」「絵ハガキ」だと 思うのですが皆さんはどうでしょうか。

「風にのって」はファーストアルバム時にすでに出来ていたもので

変則的な曲の構成が魅力のひとつでもあります。

「絵ハガキ」はCSN&Y「自由の値」をイメージさせてくれます、そして曲が

終わった後も実はB面さえも”サーカス”なのだと言いたげな終わり方が何とも

意味深なのですよね。

ちなみにこのアルバムは詞 山上路夫さん、編曲 深町 純さんが

そのほとんどを手掛けています。

聴き終えてアレンジの素晴らしさに改めて驚かされました。


この時期ガロは何を求めていたのでしょう。

新しい何かを探していた、そんな中で生まれた意欲的なアルバムが”サーカス”

ではなかったかと思うのですが・・・・・







団長ののごあいさつ

オープニングにふさわしい軽快なこの曲はイントロからしてこれから展開される

何かを期待させずにはいられません。

ブラスを用いたアレンジも華やかな世界を一層盛り上げてくれています。

この曲は「この世はサーカス」と同じですがこちらではタイトル通り団長としての

挨拶がメインでまずは私達に御挨拶をといったところでしょうか。

何はともあれこうしてアルバム”サーカス”の幕は切って落されました。



空中ブランコ

サーカスといえば空中ブランコがメインですがここではいきなり持ってきて

しましましたね(笑)

曲自体はしっとりとしたワルツのラブソングでいかにもマークらしい作りに

なっています。

私自身このアルバムでも1、2、を争うお気に入りの曲でよく歌ったりも

するのですがその良さに気付きかない人も意外と多いのではないでしょうか。

この詞、良いですよね。

人生にはそんなところがあったりしてそう言える相手がいるということは

幸せな事だと思うんですよ。



オートバイの火くぐり

一転してトミーの軽快なナンバーです。

バイクの爆音が右へ左へと轟く中、エレキギターもそれに答えるかのように

唸りをあげています。

とにかくこのようなロックンロールナンバーは一緒に楽しみたいですよね。



猛獣使い

今度はライオンの唸り声とムチの音、そして軽快なブラスが飛び込んできます。

やはりトミーはこのような曲も似合いますよね。

間奏のエレキギターもこれだけ長いフレーズを演奏することは

めずらしいことです。



ピエロの恋唄

イントロなしで始まるこの曲はピアノ中心にストリングスが絡んできます。

しっとりと落ち着いたラブバラードはマークの持ち味のひとつでも

あるのですよね。

何となくうっとりと聴き入ってしまうのは私だけでしょうか。

聴けば聴くほどその素晴らしさを認識させてくれる、そんなナンバーです。



曲馬団

リズミカルな中にも何となく物悲しさを漂よわすこのナンバーもやはり

マークの作品です。

サーカスに登場する動物達はやはり普通の生活とは違いますよね。

自然の中で暮していけない動物達、それも一生だといえばそれまでですが。

やはりこの曲同様何となく感傷的になってしまうんですよね。



なぞの女

ここでやっとボーカルのナンバーが登場しました。

ここまでボーカルはコーラスにも登場してなかったような気がしたのですが

実際はどうだったのでしょうか。

少しふざけた感じの曲はボーカルのもっとも得意とするところでここでも

良い味を出しています。

詞もほんとにとぼけでますよね。

何となくにやけながら聴いてしまうそんな一曲です。



大男の歌

トミーがしっとりと歌うとこんな感じになるんですよね。

アレンジは生ギターの速いアルペジオが印象的です。

ほとんどトミーのソロという感じですがこのタイプの曲は以後何度か

聴いた事があります。

ちなみにこのアルバムに収められている「旅人が眠る丘」も同じような

雰囲気の曲ですよね。



綱渡り

エレキギターによるインスト・ナンバーです。

後半のフレーズが印象的ですね。

そして拍手と歓声の中ラストナンバーを迎える事になります。



この世はサーカス

こうして行なわれたサーカスもいよいよフィナーレを迎えました。

オープニング同様軽快なメロディーにのせ人生訓を交えながら

お別れの挨拶です。

喜び悲しみ全てを乗せてまた新しい町で新しい人々に夢を振りまくため

ガロサーカス一座は公演を続けていくのです。

ギター片手に私の町へも何度か来てくれました。



風にのって

B面はマークのご機嫌なナンバーから。

ファーストアルバム時にはすでに作られていたというだけあって楽しい中にも

その凝った構成はそれだけで初期のイメージを十分に満喫させてくれる。

中でも曲の終わりのフレーズをそのまま最初に持ってきてしまうというアイデアは

いかにもマークらしくその発想の大胆さにただただ驚かされてしまいます。

もしファーストアルバムに収められていたらもっともっと高い評価が得られた曲だと

思うのですが。



演奏旅行

一見するとマークの作った作品としては平凡な曲のように思えますが

よく聴いてみるとかなり変わった作りになっています。

メロディーの繋がりが何とも不思議に感じるのは私だけでしょうか。

マークとトミーのコーラスから一転してのボーカルの歌声が何とも気分を

良くしてくれます。



酒びたり人生

これも「なぞの女」同様いかにもとぼけた味の曲です。

ジャズっぽいサウンドも良い味を出しています。

ボーカルでしか作れない世界ですね。



通りすがり

いかにもマークらしいナンバーです。

真正面から取り組んだ曲だと思います。

何も凝ることがない素直なメロディーとそれを切々と歌うマーク

そういう意味で貴重な一曲だと思うのですが皆さんはどう思うのでしょうか。



旅人が眠る丘

トミーもまたしっとりと歌っています。

小鳥のさえずりもこの曲のイメージを一層引きたたせてくれます。

こんな場所に眠る人はやはりやさしい旅人なのでしょうね。

良い曲です。



絵ハガキ

マーク作曲、ボーカルがリード取るという珍しいタイプの作品です。

この曲を聴くとどうしてもCSN&Yの「自由の値」を思い出してしまいます。

そのイントロ部分が「絵ハガキ」のメロディーそのままのように思うのは

私だけなのでしょうか。

この曲のアレンジが好きです。

ストリングスの調べが心を打ちます。

そして地味ながら左から聞こえる生ギターのフレーズがコピー意欲を

そそったりもするのですよね。

後半部分のアレンジはこれが最後の曲であることを証明しています。

最後に動物の鳴き声が入りアルバム”サーカス”の終演となりました。