第7回さくら色朗読サロン

お礼

150人の方が参加してくださいました。数にも驚いたのですが、多様な人たちの参加が、嬉しいでした。 見えにくい人も、障害のある子どもたち、脳性麻痺の青年、車いすの方、10人の高校生ボランティアも… そして、高齢者、障害のある人たちが、声を出す・相手に伝えることが、共に生きる~人と人がつながることに大きな意味がある。 「詩」や短文なら、高齢になっても、話しづらい人でも、深く読み込むことで、自分の声で人に伝えることができ、自信になる。 「多くではなく深く」の大切さを教えてもらった気がしました。今、いろんな声が届き…新たな力?これからのあり方のヒントがいっぱいあるように思いました。
この会の開催にあたり、当日には、目には見えない多くの方々のご支援がありました。心より感謝しています。有難うございました。
参加者に配布した資料プラス、詩と短歌も追加しました。

ともに生きる~つながる朗読 「さくら色朗読サロン」にようこそ!~本日の朗読作品 著者などのご紹介~

◆~橋をかける~ 「子ども時代の読書の思い出」 皇后 美智子様(すえもりブックス)

平成10年、皇后様は、国際児童図書評議会インドニューデリー大会において基調講演をされました。 そのご講演は、世界各国の参加者が深く心を動かされ感動の渦に包みこまれたそうです。 その中で新美南吉の童話「でんでんむしのかなしみ」をご紹介くださいました。 2004年4月の朝日新聞には、皇后様のお言葉が・・ 「誰もが弱い自分を恥ずかしく思いながら、それでも絶望しないで生きている。 そうした姿をお互い認め合い、懐かしみ合い、励まし合っていくことができたら」

◆新美南吉(にいみ なんきち) 児童文学作家。愛知県半田市出身

(1913年7月- 1943年3月22日)雑誌『赤い鳥』出身の作家の一人であり、彼の代表作 『ごん狐』はこの雑誌に掲載されたのが初出。結核により29歳の若さで亡くなったた め、作品数は多くない。 南吉は、あくまでも人から視た主観的・情緒的な視線で自分の周囲の生活の中から拾い上げた素朴なエピソードを脚色したり膨らませた味わい深い作風が多い。「でんでんむしの悲しみ」を見えない方が朗読します。

◆ドリアン助川 「作家、詩人、歌手」 1962年生まれ 早稲田大学東洋哲学科卒

放送作家を経て、1990年に「叫ぶ詩人の会」を結成、1999年に解散。 2年ほどニューヨークに滞在して、帰国後は「明川哲也」の名前で主に執筆とライブ ハウスで活動。ラジオ深夜放送のパーソナリティーを務め、伝説的な人気を博す。 2011年から「ドリアン助川」に名前を戻して『バカボンのパパと読む「老子」』(文 春文庫)「ピンサの島」「多摩川物語」(ポプラ社)作家として活動している。

◆「あん」の映画に出演した樹木希林さんのこと・言葉(文春文庫&宝島社から)

福島県・会津の山間部の中学校では、「あん」の映画の感想を言えずに固まってし まった女生徒を、希林さんは全身で抱きしめた。『私も同じだったんだよ。 ひとこともしゃべれない子だった。でも、胸の中にはたくさんの言葉があるよね。』女生徒は無言のままうなずいた。

  • 「とにかく、世の中を面白がること。老いだって病気だって、自分の栄養になる」
  • 「病がだめ、健康がいいとするならば、こんなつまらない人生はない」
  • 「人の人生に、人の命に、どれだけ自分が多く添えるか」
  • 人の悲しみを自分のことのように悲しめるか。

    ◆上林洋子歌集「かたくりの花」(喜怒哀楽書房)より

  • 眠りたる吾子の口元まさぐればミルクに濡れてやわらかきかな
  • かたくりの花に触れつつ色問えば「かあさんのセーターとおんなじ色よ
  • 星野富弘の詩画集を繰る吾が娘今宵静かな物言いをする
  • 「ありがとう一緒にいっぱい歩いたね」頭撫でつつハーネスはずす
  • 掌にほほに花びら流れくる今日のそよ風桜色して
  • いつしらに色の記憶の薄れたり今朝は触れてみつチューリップの花
  • 人生のとどのつまりは皆ひとり一合に満たぬ明日の米研ぐ
  • ◆岩崎航詩画集より

  • ぼく自身も誰かの伴走者となって、はじめて完走できると思うのだ。
  • 本当に心の底から願っていることに向き合えば いのち輝く。
  • 生き生きとして希望する それはすべてのことに テコとしてはたらいていく。
  • ◆ 星野富弘詩画集

  • 冬があり 夏があり 昼があり、夜があり、晴れた日と雨の日があって、 ひとつの花が咲くように 悲しみも苦しみもあって 私が私になってゆく
  • いつか草が風に揺れるのを見て、弱さを思った。 今日、草が揺れたのを見て、強さを知った。
  • 花がきれいですねぇ 誰かがそう言って うしろを過ぎて行った。 気がつくと 目の前に花が咲いていた 私は何を観ていたのだろう この華やかな 春の前で いったい 何を考えて いたのだろう
  • 誰にでも、やさしい言葉がかけられそうな気がする沈丁花の香りがあった
  • 私は傷を持っている。でもその傷の所からあなたの優しさが沁みてくる」
  • この苦しみ、きっと意味がある。いつか必ず分かる時がくる。 涙なんか でてきたら なめちまえ
  • ◆「さくら色の空」   小林キヨ子作詩

    四月半ばを過ぎてもまだ寒い今日
    ボランティアの仲間の花見
    ワァ   満開だ
    科学博物館の横を通って鳥屋野公園
    立派な木々が  隣の木と手を繋ぐように枝を伸ばし
    空いちめんに花を咲かせている
    さくら  さくら色  さくら色の空
    お弁当を囲み大きな輪ができる  それぞれ活動に忙しく
    久しぶりに会えた 顔 顔  お互いの健康を気遣う 
    突然
    一番元気の良い父ちゃんが立ち上がる
    うちの母ちゃんが悪性のリンパの癌で入院した
    治ったらまた皆と動きたいと・・・・ 
    皆 一瞬声が出ない
    さくら色の空を見上げた
    父ちゃんも気をつけてね・・・
    皆の思いをそっと包んで  さくら色の空は
    優しく やさしく 広がっていた 平成22年4月28日


    以上、昨日の資料に、小林さんの詩、上林さんの短歌、岩崎航・星野富弘詩画集をプラスしました。 あすなろ小島

    樋口幸子さん プロフィール

    <略歴>
     富山テレビを経て新潟総合テレビへ
     1990年退社後イギリス短期留学
     帰国後フリーアナウンサー

    ●越後語り座に所属
    『語りと音楽』で良寛様、郷土の文化を、分りやすく幅広い年齢層に発信を続ける(2006年から)

    ●朗読あすなろ講師
    『人・心・歴史』を朗読を通してつながる活動に(2011年11月)

    癒しの声はどこから?
    燕市(旧分水町)出身。良寛様のゆかりの地に生まれ、良寛様と同じ空気を吸い景色を見、雪に耐え育つ・・周りの人への心遣いには、抜群の感性を持つ「思いやりの人」 それゆえに天性の癒しの声が授けられた。

    朗読あすなろ
    朗読とは思いやり)と感じ、あすなろができました。「朗読」は、作者の想いをくみ、背景に思いを巡らし、聴いてくれる方を想い、自分の声で伝える。「思いやりのこころ・感性」が磨かれます。
    発足:2011年11月 学習会:毎月2回 不定期
    目的:文学に親しみ深めたい 自分の声で『想い』を人に伝えたい
       朗読を通して 風と人とこころに繋がる
    魅力:自分の声を出して朗読することの楽しさ、面白さ、深さに気づく
       思いがけないに出会える。
    会員:性別・障害・年齢に関係なく、 言葉を、心を、通わせる人たち
    講師: 樋口幸子フリーアナウンサー
    問合せ:〒950-2072新潟市西区松美台3番20号有明福祉会館分館
    NPO法人障害者自立支援センターオアシス内 ☎025-267-8833 小島紀代子